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第87回全国高校サッカー選手権大会 レポートコラム Supported by gol.japan (株)カレッジリーグ エーライン事業部

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卒業生に贈るメモリアルボール (株)カレッジリーグ エーライン事業部

トーナメント表
大会概要
2009/1/5

第87回全国高校サッカー選手権大会

北健一郎(ストライカーDX編集部) 取材・文

準々決勝

1月5日(月)/12:05キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客6264人/試合時間80分

前橋育英 1(0-0、1-0)0 國學院久我山

得点者
(前)佐藤

スコア以上の完勝劇
前橋育英のハードプレス

 1-0というスコアで終わったのが不思議なぐらい、前橋育英が圧倒して勝ったという印象が強く残るゲームだった。

「相手のプレスが速くて、そこに面食らったところはある」(李済華監督)

 前橋育英は4-4-2でDFとMFの2ブロックを形成。「後ろではボールを回させて、ウチのゾーンに入ってきたら行く」(⑭米田賢生)というプランを忠実に実行し、國學院久我山がミドルゾーンまで来たところで、ボールホルダーを一気に取り囲む。

 ここのボールへのアプローチの距離感と体の当て方が、國學院久我山が2、3回戦で戦った、もっといえば7点を取った相手とはレベルが違った。これまでの2試合では余裕でボールをキープできていた自慢の中盤の選手が、前橋育英のプレスの激しさに慌ててプレーしたり、体を当てられてよろけてしまう。

「あそこが生命線だった」と山田耕介監督が語った中盤でのプレスによって、國學院久我山の攻撃のキーマンである⑩田邉草民や⑪川久保理へのパスコースを遮断。中盤を制した前橋育英がゲームを優位に進めていく。

 そして、ボールを奪ってからの攻撃も速くて正確。中盤から前線まであっという間にボールを運んでフィニッシュに持っていってしまう。典型的なのはこういうパターンだった。

 ボランチが相手からボールを奪うと、サイドハーフが上がってボールを引き出す。その外を猛スピードでサイドバックが回って、瞬間的に対面の相手と2対1の数的有利の場面を作り出して、クロスもしくはカットイン。クロスのターゲットになるのはFW25皆川祐介。彼のポストプレーにFW⑬西澤厚志が絡んでいき、跳ね返されても2列目がセカンドボールを拾って2次、3次攻撃を仕掛けていく。

 6分、⑦六平光成がDFラインの真ん中を突破してGKとの1対1に。ドリブルでかわしにきた⑦六平を、ペナルティーエリアの外に飛び出したGKの①間宮将が足をかけて倒してしまう。「1発レッドか!?」と誰もが思ったが主審が出したカードの色は「イエロー」。ここでGKが退場していたら、完全に前橋育英の一方的な展開になっていただろう。

 チャンスの山を築いた前橋育英だが、山田監督が「前半はあれだけ決定的なチャンスがあったが、シュートをふかしてしまったところは反省点」の言葉通り、理想的な崩しの形を締めくくる⑬西澤や⑭米田のシュートはことごとくバーの上。これが前半を0-0で折り返した最大の要因だ。

 後半始まってすぐに、李監督は2トップの1枚をMF⑲洞内涼佑に代えて、⑩田邉をFWに上げた。「ソータン(田邉)にゴールの近くでプレーしてもらいたかったのと、サイドのところの守備強化」が目的の交代だった。

 しかし後半15分、⑦六平の縦パスをペナルティーエリア右で受けた⑩佐藤穣がクライフターンで正面の相手をかわしてシュート。ちゃんとインパクトできなかったような感じのシュートだったが、ボテボテのボールがGKの横を通ってゴールイン。

 1点取った後も前橋育英のプレスは衰えず、國學院久我山に反撃するスキを与えない。前線の⑩田邊と⑪川久保の2人がゴールを狙いにいくが、前橋育英のディフェンスが4、5人と立ちはだかる前では望み薄。27分に⑩田邉がペナルティーエリアの中で倒されたが、笛は鳴らなかった。

 1-0というスコア以上の完勝で、前橋育英が7年ぶりのベスト4進出を果たし、初の決勝進出をかけて鹿児島城西と戦うことになった。ハイプレスからの高速アタックを信条とする前橋育英と、超高校級ストライカー⑨大迫勇也を擁する鹿児島城西。準決勝の舞台は今回は国立競技場ではなく埼玉スタジアム。これまでは準決勝で踏めていた国立の芝は決勝まで踏めないことになる。

「国立で戦いたかったか?」と聞かれた⑭キャプテンの⑭米田は「国立でプレーできたとしても負けたら一緒。勝って国立でプレーして優勝したい」とキッパリ。これまで何度もベスト4で涙を飲んできたタイガー軍団は、今度こそ国立の芝を踏むことができるか。

前橋育英・山田耕介監督
「攻守の切り替えのところがポイントだと思っていた。前半はあれだけ決定的なチャンスがあったが、シュートをふかしてしまったところは反省点。久我山の個人技はすごいものがあるので、何とかそこを出させないようにした。今日はミナ(25皆川佑介)がよかった。ほとんどヘディングで負けなかったし、タメもできていた。今大会でいちばんよかったんじゃないかな。ミノリ(⑩佐藤穣)は前半の出来が悪かったので、代えようかと思っていたところで決めてくれた。だけど、あいつはもっとできる選手です。ベスト4と優勝は大きな違い。昨年のベスト8はみんな覚えていない。今日これから群馬に帰って、1回休ませます。鹿児島城西も滝川二も何回もやってますからね。向こうもウチも分かっている中でのゲームになるでしょう」

國學院久我山・李済華監督
「僕が子どもたちによくいう言葉なんですが、勝利は喜びを与えてくれて、負けは教訓を与えてくれると。僕自身もこの負けからいろいろな教訓をもらった。相手のレベルがこれまでとは違った。そういう勝負になるとはわかっていた。だから、ある程度前半は予想していたとおり。あっちのほうが、たくさん私たちを上回っていたということ。プレスに面食らったところはあると思います。ただ、今日は負けましたけど、私自身の考え方は変わらない。カッコイイゲームをして、カッコイイ選手になってほしい。走り込みをすごい増やすとかそういうことはやりません(笑)」

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