FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2015
【M7】3位決定戦
サンフレッチェ広島―広州恒大

2015年12月21日

粂田孝明(本誌)取材・文 松岡健三郎(本誌)写真

15年12月20日(日)16:00キックオフ
横浜国際総合競技場/神奈川県/観客47,968人/試合時間90分
サンフレッチェ広島
(日本)
2 0-1
2-0
1
広州恒大
(中国)
ドウグラス
(後半25分)
ドウグラス
(後半38分)
得点者 パウリーニョ
(前半4分)

今大会過去3戦すべてでスタメンを変えてきた広島。この3位決定戦でもスタメンを変えて臨んだが、それが立ち上がり裏目に出た。相手CKのマークが不安定になったところを突かれて失点。カウンターが得意の広島にとって苦しい展開となった。その後は好機を作るも、ゴールを奪えなかったが、後半に入って、ドウグラス、柏らを投入すると、ここから一気にトップギアに入った。後半25分にCKをドウグラスが決めると、後半38分にもサイド攻撃からドウグラスが押しこみ逆転。Jクラブがことごとく敗れた広州を相手に、見事な勝利を収めた。

ピックアッププレー

後半38分 逆転ゴールを導いた柏のドリブル突破

シザーズ、シザーズ、ボディーフェイクの連続ワザ

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縦に突破してクロスを送る柏。交代出場で生き生きとプレーした

1点を先行され、その後何度もファインシュートを放ちつつも、なかなかゴールを決めきれなかった広島。そこで森保一監督は後半13分に佐藤寿人に代えてドウグラス、後半22分にミキッチに代えて柏好文を投入。右シャドーの位置にドウグラス、右MFに柏を置いた。もともとその位置にはミキッチと浅野が入っていて、スピードを生かして縦や中央への突破で何度もチャンスを作っていた。一方、ドウグラスと柏は、2人のコンビネーションで崩しにかかった。この攻撃スタイルの変更が相手を混乱に陥れたようだ。

柏はドウグラスとのワンツーで縦に突破したり、後方からのロングボール1本で縦に抜けてクロスを送ったり、縦に突破すると見せてマイナスへ切り返したりと、右サイドの主導権を完全に握っていた。

そして後半38分、柏のドリブルからゴールが生まれる。右タッチライン際で受けた柏は、相手と対面する形で、左足インサイドで縦にボールを運ぶ。スピードが出ていなかったため、左足で2度、内→外シザーズを仕掛けて相手をけん制。これで相手との距離を保つと、右足裏でボールを止める。すぐに右足インサイドでマイナス方向へボールを運ぶと見せて触らず、素早く右足アウトサイドで縦にボールをはじき出した。敵はマイナス方向へボールを運ぶ動きに釣られて重心が前に移動していたため、完全に逆を取られていた。柏は余裕を持ってクロスを送り、これがニアサイドに走りこんだ浅野のシュートに繋がり、そのこぼれ球をドウグラスが押しこんだ。

後半21分の投入から、この得点までの17分間で柏がドリブルで仕掛けたり、裏を突いたりしたプレーは合計5回。実はマイナスに運ぶと見せて縦に突破するボディーフェイクは投入された直後に見せていたが、最終的に失敗していた。柏は何度も相手と勝負する中で、クセや特徴を見抜き、ここぞというときに見事に成功させた。柏の洞察力、強気な姿勢が導いた素晴らしいドリブルだった。

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