第41回全日本少年サッカー大会 決勝
セレッソ大阪U-12-北海道コンサドーレ札幌U-12

2017年12月30日

粂田孝明(本誌)取材・文

12月29日(金)9:30キックオフ/試合時間40分
セレッソ大阪U-12
2 0-0
2-1
1
北海道コンサドーレ札幌
U-12
三津井龍真(後半15分)
皿良立輝(後半19分)
得点者 出間思努(後半11分)
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「あえて股を狙った」と股抜きシュートを決めた⑦三津井

試合は立ち上がりからC大阪が優勢ながら、時折繰り出される札幌のカウンターに手を焼いていた。後半に入ってさらに攻勢に出たC大阪だが、逆に個人技から先制点を許してしまう。それをきっかけにさらに圧力を強めたC大阪は後半15分に⑦三津井がドリブルシュートで同点ゴールを決めると、終了間際の後半19分には⑩皿良がCKをヘディングで決め逆転に成功。C大阪が3年ぶりに2度目の日本一に輝いた。

最初の得点がもたらした両チームの変化とは

試合の分岐点は後半11分の札幌のゴールだった。これをきっかけに両チームにいくつもの変化が起こっていた。

札幌にとってピンチの連続だった中での先制点だっただけに、選手の中に安堵の気持ちが芽生えてしまったようだ。残り9分もあるというのに、一気にゴール前に運べるシチュエーションでサイドにボールを流すプレーを選択し、時間稼ぎと思われるプレーを行うようになっていた。

逆にC大阪はここで戦い方の変更を行っている。キャプテン⑥渡辺皐は「DFが前にボールを蹴りすぎていたので、一度落ち着かせて、パスを回すように指示を出した」と冷静に戦況を見つめて、よりゴールの可能性が高い方法を選択した。

さらに今大会で2度逆転勝ちを収めていたのも大きな自信となっていた。特にベスト16で対戦した「清水エスパルス戦での逆転勝利が、チームが成長できるきっかけだった
と⑥渡辺は語っている。

果たして、長身ぞろいの札幌相手に空中戦ではなく、地上戦への路線変更は見事に功を奏す。失点から4分後の後半15分。右サイドを⑦三津井がドリブルで突破し、最後は相手の動きを冷静に見て股抜きシュートを突き刺した。

一方で札幌はこの失点で完全に相手の勢いにのみ込まれてしまった。「同点になった場合、全体が前がかりになるのが普通だが、緊張からくる固さで前に出ていけなかった」と浅沼達也監督は悔やんだ。前線に蹴ってもエース⑪出間にボールが渡らず、彼へのサポートにも行けない時間帯が続いた。その理由を監督は北海道の持つ地域性が関係しているのではないかと分析している。
「我々はこの大会にくる2カ月前からほとんど大きな大会を行えない。芝生のグラウンドで戦うのも10月以来。それもあって最後のところで体が思うように動かなかった

前半は何度もカウンターがはまり、決定機を作り出していたが、後半のチャンスと言えば、得点シーンと、後半アディショナルタイムの2回のみ。何人も連動して駆け上がるようなシーンは皆無だった。

結局後半残り1分のところでC大阪⑩皿良がCKから逆転ゴールを決めた。このシーンでも⑩皿良が「それまでついていたDFがボールに夢中になっていて、自分がフリーになっていた」というように、この時間、札幌のDF陣の集中力が切れていた。運動量が低下し、注意力も低下していた札幌に逆転する余力はもはや残っていなかったようだ。

2017年度の大会ではC大阪が優勝を決めたが、鳥居塚伸人監督、浅沼監督ともに最も重視していることは、目先の勝利よりも、選手たちの未来。試合後、鳥居塚監督はもちろん、浅沼監督も選手たちのプレーを讃えるとともに、希望に満ちた表情を見せてくれたのが印象的だった。

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3大会ぶり2度目の優勝を果たしたC大阪。個性派ぞろいだった
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堅守速攻で勝ち上がってきた札幌。粘りの守備は圧巻だった
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逆転ゴールを決め、雄叫びを上げる⑩皿良。ドリブル技術は群を抜いた
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札幌のエース⑪出間は、厳しいマークの中、先制ゴールを決めた
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