第32回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会  決勝
サガン鳥栖U-15-柏レイソルU-15

2017年08月24日

松尾祐希(サッカーライター)取材・文

17年8月24日(木)11:00キックオフ/北海道・帯広の森陸上競技場/観客300人/試合時間80分
鳥栖U-15
2 1-0
1-1
1
柏U-15
佐藤聡史(前半29分)
中野伸哉(後半27分)
得点者 新保海鈴(後半30分)
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ファイナルマッチで凱歌を響かせたのは、九州勢初制覇を目指す鳥栖だった。15年ぶりの頂点を目論む柏に対し、1トップに入る⑨田中禅、2列目を担う⑳中村尚輝、⑪相良竜之介、⑩佐藤聡史で構成する攻撃陣が躍動。コンビネーションと個人技を織り交ぜて相手を翻ろうすると、前半29分には観客の度肝を抜く⑩佐藤のミドルシュートで先制点を奪う。迎えた後半は相手に攻め込まれるも、27分に㉒中野伸哉が追加点。直後に1点を返されたが、リードを守り切って鳥栖が初の日本一に輝いた。

MVPと得点王に輝いた
佐藤聡史を支えたライバルの存在

「左足には自信を持っている。ボールを受けた瞬間に入りそうな感じがあった。自分の形と言ってもいいのかなと。練習でもあんなにパワフルなシュートを打ったことがないので、思い切り打った結果がゴールにつながった」

29分、中央に切り込むと迷わず左足を振り抜いた。放たれたボールは綺麗な弧を描き、ゴールへと向かっていく。決まった瞬間、⑩佐藤聡史は手荒い祝福をチームメイトから受けながら喜びを爆発させた。今大会7得点目となった10番の先制点。この一撃がチームに日本一をもたらし、得点王とMVPを自ら引き寄せる殊勲弾となった。

今大会はまさに獅子奮迅の活躍だった。右サイドハーフの位置から得意の左足を駆使し、攻撃をけん引。パスとドリブルを織り交ぜつつ、時にはシュートを狙う姿勢が相手に脅威を与えた。

その結果が個人賞2冠につながったが、1人の力で成し遂げられたわけではない。お互いを高め合うライバルがいたからこそだ。それが1トップを務め、得点王を分け合った⑨田中禅である。決勝前まで田中が7得点と1点リードしている状態ということで、試合前から得点王争いについて言葉を交わしていた。だからこそ、佐藤は「チームのためにプレーをしたい」と前置きをした上で、「禅は7点取っていたので、チームメイトには負けたくなかった」という想いがあったと話す。

先制点が決まった瞬間に田中も「聡史が決めたときはうれしかったのですが、あとから考えたら並ばれたなと(笑)。だから、僕も決めないといけないと思ったのですが、決められたときはちょっと悔しかったですね」と特別な感情が沸き上がったと明かした。2人で切磋琢磨した結果が、この日のゴールにつながったのは確かだ。

試合後にも言葉を交わしたという佐藤と田中。
「冬の高円宮杯まで得点王争いの続きはお預け。決着はそこでつけようと話しました」(佐藤)
冬の舞台で彼らがどのような戦いを見せるのか――。
ライバルであり最高の仲間である2人の戦いはこれからも続く。

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