中山英樹GKコーチ レッスン [第15回]
キック③ サイドボレー

2016年06月28日

取材・文・写真 松尾祐希(フリーライター)
モデル 池上優貴、平林真教(福岡GKスクールコーチ)
取材協力 アディダスフットサルパーク福岡 筑紫野ベレッサ

ストライカーDX7.8月号(68~69ページ)で紹介している「キック」のより深い説明をする連動連載。今回は「サイドボレーキック」になります。見た目がかっこいいあこがれのキックですが、難易度は高いようです。

足を振りおろし
回転をかけたキック

―――サイドボレーキックとはどのような蹴り方のキックなのでしょうか?

中山 蹴り足を横振りし、低くて速い弾道をスパンと蹴るキックですね。他のキックと違うのは、ちょっとボールをこする必要がある点です。表現としては少し、振りおろすようなイメージですね。真上から振り下ろすわけではないのですが。

―――イメージは卓球のカットのように、バックスピンを掛けるイメージでしょうか?

中山 そうですね。ただ、回転数が多すぎると空気抵抗が掛かりすぎてしまい、ボールが伸びなくなるので、ボールを刈りすぎてはいけません。ボールを真っすぐに蹴ってバックスピンを掛けない方法もありますよ。
少し体を傾けて、アウトサイドに掛けるようなイメージで蹴ると、ボールがスクリュー回転するので伸びやすいと思います。そのような質のボールのほうが、相手にもはじかれにくくなります。なので、必ずしもアウトサイドに掛けないといけないわけではないのですが、蹴るときはアウトサイドに掛けてスクリュー回転を掛けるやり方も頭に入れておきましょう。
もちろん、バックスピンを掛けて蹴ったほうが、味方はボールを止めやすくなるので、その蹴り方でも問題ありません。ただ、逆に相手ははじきやすくなります。そこで、スペースに蹴るときはスクリュー回転、味方に蹴るときバックスピンのほうが良いと思います。

―――そうすると、サイドボレーを使う意味合いは、素早く攻撃に移行したいときということでしょうか?

中山 そうですね。キックモーションも短いので、素早くキックを行うことができます。距離はそこまで出ないキックですが、攻撃の起点になれる蹴り方ですね。

―――このキックでありがちなミスは何でしょうか?

中山 ボールの上を蹴りすぎて、ドライブ回転が掛かってしまうことですね。あとは逆に下を蹴り過ぎて、ボールが上に行きすぎてしまうとか。非常に繊細な蹴り方なので、1つ間違うと、正しいキックにならなくなってしまいます。

―――うまくなってからではないと、試合で使うのは難しいキックですよね?

中山 そうですね。西川周作選手(浦和/日本代表)みたいにフォームができあがっていて、ピンポイントでミートできる技術があれば、このキックの質は高いです。でも、世界のデータを見てみると、GKからのロングキックでボールを失う回数は非常に多いんです。本当にボールがつながるのは、どんなに確率が高いGKでも50パーセントなんです。低いGKは10パーセントしか通らない。なので、西川選手みたいにキックの質が高いと使う意味がありますが、自信がないのであればサイドボレーを使う場面でスローイングを用いてもいいと思います。カッコいいからサイドボレーを使いたいというのは避けましょう。

ボールの中心をとらえて、低くて速い弾道をスパンと蹴るキック
img
img
img
img
img
Tochigi Green Cup 2015 Spring 中山英樹
なかやま・ひでき

1981年12月4日生まれ。金武中→東福岡高→中京大中退。東福岡高校時代は全国高校サッカー選手権に出場。2年時には優勝を経験し、3年時はベスト16進出を果たす。中京大を中退後から本格的に指導者の道を歩み、2000年6月に福岡GKスクールを設立。現在ではスクール事業としては福岡県下最大の規模を誇る。過去には、JFAU-18、U-15GK合同キャンプ西日本の日本代表コーチや、J1サガン鳥栖の育成コーチを務めた経験も持つ。現在も母校・東福岡高のGKコーチを務めている
福岡ゴールキーパースクール HOSOCCER JAPAN
(C)Gakken Plus Co.,Ltd.
ページトップへ