中山英樹GKコーチ レッスン [第6回]
フォーリングを覚えよう

2015年11月17日

取材・文・写真 松尾祐希(フリーライター)
取材協力 池上優貴(福岡GKスクールコーチ)

第6回目の今回はフォーリングというキャッチングになります。馴染みのない言葉かもしれません。フォーリングという言葉はプロレスのフォール(相手を押さえこむこと)から来ています。つまり、ボールを体ごと押さえこむというのが、この技術の特徴です。4回目5回目にやったオーバーハンドキャッチ、アンダーハンドキャッチが使えない場面、特に足元周りに入ってきたボールに対して使う必要がある技術ですので、しっかり覚えましょう。

ボールを体ごと押さえこんで
キャッチする技術

―――フォーリングというのはそもそも何でしょうか?

中山 日本ではフォーリングがあまり重要視されていないのですが、海外ではかなり重要視されているんです。前にパワーポジションを取っているときに、足元にすっとボールが入ってきたら、ダイビングをするには位置が近すぎるとか、ステッピングで移動しないといけない状況が起こります。

そのときに足を踏み出して、前に出てキャッチをする技術(フォーリング)を身につけていると楽に取ることができます。ただ、本当はフォーリングをあまりしないほうがいい。それをすることで攻守の切り替えが遅くなるので、チーム戦術的にはやらないほうがいいのかもしれません。
でも、足元にシュートを打たれたら、斜めに出ていかないとボールが脇の間を抜かれてしまうことがあります。ステッピングしてもボールの正面に入れないと、GKは無意識に斜めに動くことが多い。ただそこでダイビングをしてしまうと、意外にボールが近いなということが起こるのです。そのときはフォーリングをするほうが確実ですし、前に重心を持ってきているので、前に倒れて確実なキャッチングをすることができます。

―――失点のリスクがあるのであれば、攻守の切り替えが遅くなってもいいからフォーリングを使いなさいということですよね。

中山 そうですね。あと、気をつけてほしいのは、アンダーハンドキャッチもそうですが、フォーリングをやる際に自分の胸が立ってしまうミスです。自分のプレー範囲から届かないところにボールが行ってしまった場合、これだとはじいてしまって相手にセカンドチャンスを与えてしまう。なので、地面と体が平行になるように意識をしてほしいです。フォーリングは確実に体を前に倒しにいけば、ボールをはじかないというメリットがあるので。

―――キャッチングとかに自信がないのであれば、フォーリングをして確実にボールを抑えにいくのはありですよね。

中山 そうですね。それはありです。ただ、アンダーハンドキャッチの形からフォーリングをするのはナンセンスです。なので、アンダーハンドで取れる範囲であれば、ステップを使ってでも取りにいくべきだと感じます。それでも、つかめないとき、かつダイビングをするには近すぎる距離なのであれば、フォーリングを使ったほうがいい。また、体をボールの正面に持っていけなかったときに、アンダーハンドキャッチに持っていくと後ろに抜けてしまうかもしれません。なので、キャッチをしながら倒れるフォーリングを使ってほしいと思います。

―――フォーリングのコツは何でしょうか?

中山 アンダーハンドキャッチも含めて上半身をかがませることが絶対条件ですね。
あとはボールの勢いを殺そうとしないこと。シュートが来て受け止めたときにボールの勢いを来たほうと反対側に流すようにしたほうがいい。シュートが来たら、横に流してあげるイメージですね。

足元にボールが来たときに、足を踏み出して斜めに出てキャッチする
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上半身をかがませ、地面と体が平行になるようにしてボールを押さえこむ
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トレーニング例
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Tochigi Green Cup 2015 Spring 中山英樹
なかやま・ひでき

1981年12月4日生まれ。金武中→東福岡高→中京大中退。東福岡高校時代は全国高校サッカー選手権に出場。2年時には優勝を経験し、3年時はベスト16進出を果たす。中京大を中退後から本格的に指導者の道を歩み、2000年6月に福岡GKスクールを設立。現在ではスクール事業としては福岡県下最大の規模を誇る。過去には、JFAU-18、U-15GK合同キャンプ西日本の日本代表コーチや、J1サガン鳥栖の育成コーチを務めた経験も持つ。現在も母校・東福岡高のGKコーチを務めている
福岡ゴールキーパースクール HOSOCCER JAPAN
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